興味の射程距離―yomoyomo
※inflorescencia=inf.
読者に求めるものってなに?
inf. では、想定読者というかリテラシーの閾値をどこに設定しているかについてお聞かせください。
yomoyomo 普段そういうのはあまり考えませんが、想定読者はまず何より自分自身です。
inf. はい。
yomoyomo 自分が読んで楽しくない、驚きのない文章に価値はありません。ただブログ時代になり、エントリ単位で読まれるようになると自分と同じ前提知識のない読者も相手にすることが多くなるわけで、疲れているとそうした読者への配慮が足りなくなるのはときどき反省します。
inf. でも、今ネットには幅広い多様なユーザがいて、その全てに対応するのは、なかなか難しいですよね。
yomoyomo そうですね。
inf. ではどのあたりの層に焦点を当てているのですか?最低限求めている背景知識はどのようなものでしょう?
yomoyomo 自分より頭の良い読者のために常に精一杯背伸びするのです。……というのは冗談ですが、
inf. えー(笑)一瞬感動したのにー!
yomoyomo 最低限求めるのは、背景知識でなく好奇心です。
inf. 好奇心ですか。
yomoyomo はい。
inf. 未知への可能性?それとも欲求?
yomoyomo それは書く側からはなんとも言えませんが、書き手に力があれば、詳しくないジャンルでも読者の側で面白みを感じてくれる余地はあると思います。
inf. 愛ですね、読者に対する(笑)
yomoyomo もっとも読者がワタシより頭の良い場合が多いですから、ワタシのほうが何かを教えるという意識になることはありませんが。
inf. はー。なるほど。ではyomoyomoさんはご自分では啓蒙しているとか、そのような自任はないということでしょうか?
yomoyomo まったくないです。自分にそれができるなどという身の程知らずなことは考えたことがありません。
inf. ほー。そうですか。
yomoyomo それができるのは白田先生とか山形浩生といった人たちでしょう。
inf. そうですか。私はまた、シナモン会長がその役割を担っているとおっしゃるのかと思いました。
yomoyomo 何を(笑)
inf. 啓蒙思想家にして指導者です(笑)
yomoyomo ふふふ、まぁ、あの瞳にはメロメロですが。