著作権表示について―白田秀彰



※inflorescencia=inf.  白田秀彰先生=白田

著作者人格権はどこまで尊重されるべきか?

inf. じゃあ意見を伺います。「著作者人格権はどこまで尊重されるべき」でしょうか?

白田 著作者人格権をまず留保して、一般的な名誉毀損法のなかに組み入れてしまえばよろしい。

inf. あー。うーん。なるほど。

白田 ただしね、まあ、あえて人格権ってことで言うと、氏名表示権だけは確保しなきゃまずい。

inf. 氏名表示権だけ、で、あとは・・・。

白田 ん。で、良いんじゃないのかな?例えば同一性保持権に関して言うと、今の世の中だったら原作者が「これが原典です」ってことを世の中に出せるわけでしょう? Webに掲載するとかWinnyでばらまくとか。だからどんなに他の人が改竄しても、本人が「原典である」と権威付けしたバージョンはこれですってことがわかってれば、同一性保持権に関しては、どのレベルでの同一性が重要かっていうのを・・・。

inf. それはそれぞれの人が判断すれば良いと。

白田 そういうこと。だから完全に原典が必要だって人は、本人が書いたものを見ればいいわけで・・・。

inf. 原理主義の人はそれを読めば良い、と(笑)

白田 そうそうそう。

inf. (原作じゃなくても)楽しめる人は楽しめればいーじゃん、という(笑)

白田 そう、それで良いし、例えば学問的な研究で「要約本が出た」っていって、それで勉強になった人がいればそれで良くって、さらにそれで原典と違うって認識できれば良いわけで、ただある作品が(作者とは)別の人の作品だということになっちゃうとまずいんで・・・それは資源の再配分のときまずいんで。氏名表示権だけはがっちり守んなきゃいけないけど、あとは・・・良いんじゃないかな?

inf. はい(笑)わかりました。


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